こんにちは!QTnetの山﨑です。
先日、大自然でのトレッキングで心と体をリフレッシュしてきました。
行ってきたのは「篠栗四国霊場八十八ヶ所」として知られる篠栗に裾野を広げる
霊峰・若杉山。若葉をつけた木々の間から巡礼しているお遍路さんたちの姿も見られ、
神聖な雰囲気の山です。頂に着くと風に乗って悠々と羽を広げるパラグライダーの光景も。
美しい景色と美味しい空気、自然を満喫できた1日でした。
 
さて、前回は「テレワーク導入の課題として挙がるセキュリティ対策」について
お送りしました。テレワーク導入のネックとなりやすいセキュリティ問題、これを一朝一夕
で解決することは難しいもの。森本さんは「テレワークに適している業務かそうでないかを
仕分ける」ことでセキュリティ問題もクリアできるということを教えてくださいました。
 
もう一度読みたい方は≪アーカイブ≫からお読みいただけます。

9回目は「テレワークが就活生に〝響く〟わけとは?」についてお送りします。
2018年卒を対象としたマイナビの調査によると、「個人の生活と仕事を両立させたい」との
回答が5年連続で増加。学生の多くがワークライフバランスを考えた就職活動を行っている
ことがわかります。労働者不足の課題を抱え、優秀な人材を雇用したい企業にとって「テレ
ワーク」がカギとなるのかもしれません。
 
今回も森本さんに伺っています。それでは、 お付き合いください。


<今回の特集>
1 学生が就職で求めるもの

  3位「人のためになる仕事」、2位「生活と仕事の両立」、1位は?
2 カルビー株式会社が実践、新卒採用の応募を増やした秘策とは
3 社会人1年目は無理?テレワークを許可するための判断基準
4 森本さんがアドバイス「早く気づいてほしい。テレワークは人材確保の有効手段」



1 学生が就職で求めるもの
  3位「人のためになる仕事」、2位「生活と仕事の両立」、1位は?


2019年度入社に向けた会社説明会が3月1日解禁された。好景気を反映して企業の採用枠
が広がっており、昨年度に引き続き、学生に有利な〝売り手市場〟が続いているという。

 













西日本新聞朝刊では、あの手この手で学生にアピールする企業の求人活動が紹介されている
学生が面接官を指名できる新たな手法、最終面接までを1日で終える選考会の導入、若者に
人気のインスタグラムで情報発信…といった具合である。一方で「長時間労働が社会問題に
なっていることもあり、労働条件や職場環境を気にかける学生が目立った」と報じている。

こうした学生の意識を裏付ける調査がある。
2018年卒マイナビ大学生就職意識調査によると、学生の就職観は
1位「楽しく働きたい」(29.7%)
2位「個人の生活と仕事を両立させたい」(26.2%)
3位「人のためになる仕事をしたい」(16.1%)

となっているが、1位と3位は前年結果より減少しているのに対して2位は13年卒から
5年連続で増加傾向にある。また、理系女子では「楽しく働きたい」(29.3%)を抑えて
「個人の生活と仕事を両立させたい」が1位(30.4%)の職業観になっている。「個人の
生活と仕事を両立させたい」というのは、いわゆる「ワークライフバランス」だ。
これが就職観として学生により重視されるようになっていることがうかがえる。


2 カルビー株式会社が実践、新卒採用の応募を増やした秘策とは

テレワーク導入のエバンジェリスト(伝道者)森本登志男さんは「テレワークを導入して
企業の魅力を就活生に語ってはどうでしょうか」と提案。実際に森本さんが企業で講演
する中でも「特に人事担当者がテレワークを新卒採用の武器にしたいと意識している
ことを感じます」と指摘する。

テレワークが就活生にアピールする点はどこだろうか。
森本さんは「ひと言で表現すると〝先々が見えるようになる〟ということです」と話す。
学生たちにとって先が見えるようになるというのは、自分にやがて訪れるライフイベントに
社会人として向き合いながら仕事も続けていける〝明るい将来像〟ということだ。














育児だと、妻がしばらく育児休暇を取るのか、夫も参加するのか。
介護だと、会社を辞めて専念するのか仕事と両立させるのか。
そういう人生の大きな分かれ道に立ったとき、これまでの働き方ならばどちらか一方を選ぶ
「二者択一」しかなかった。しかし場所や時間に縛られずに働くことができるテレワークな
ら「二者両立」という選択肢の幅が生まれる。

「目指すべき将来がイメージできない企業は、若い人たちに選んでもらえない時代がくる
でしょう」。森本さんが実際に取材したカルビー株式会社では、フリーアドレスやテレワ
ーク導入がマスコミに紹介されてから新卒の応募状況がかなり好転してきたという。


3 社会人1年目は無理?テレワークを許可するための判断基準

テレワークの利用について、入社後の年数で制限を設けている企業と特に制限を設けて
いない企業がある。森本さんは「入社してすぐだと、社会人として仕事に対して真摯に
責任感をもって向き合えるのかどうかを会社が判断できない状態なので、制限があるのは
悪いことではない」と、制限を設けることに理解を示す。














一方で「一律に入社何年だからOK、何年だから駄目という線引きをするのではなく、
部下の自己マネジメントの成熟度を、上司が見極めて許可するのが理想でしょう」と
アドバイスする。この連載でも森本さんが繰り返し言っているように、部下のテレワーク
活用を導き、その業務を公平に評価できるような管理者のマネジメント力もまた問われて
くるのだ。


4 森本さんがアドバイス「早く気づいてほしい。テレワークは人材確保の有効手段」

テレワークの導入は就活生にアピールするだけではないと森本さんは指摘する。














「さまざまなライフイベントを理由に転職を考えている人にもテレワークを導入している
企業は魅力的に映るでしょう。結婚や育児、介護を控えている人にとって、会社の仕組みに
自分たちの生活を合わせるのか、あるいは会社と生活をイーブンで考えるのか。多様な
選択肢を用意できる企業に魅力を感じるのではないでしょうか」

柔軟な働き方ができるということは転職希望者の受け皿になるだけでなく、育児離職や
介護離職を防ぐことにもつながる。つまりテレワークはトータルな人材確保の有効な手段に
なるということだ。

少子高齢化で生産年齢人口(15歳〜64歳)が先細りする日本社会。1995年には8716万人
いたが2015年には7592万人まで減少、この傾向は今後も続くと推計されている。
「新卒採用に限らず優秀な人材を集めることが経営戦略の大きな課題として浮上しています
それにはテレワークが役立ちます。そのことに皆さん早く気づきましょう」。
森本さんはそう締めくくった。


<あとがき>
少子高齢化の波によって「売り手市場」が加速している状況ですが、人口減少が続いていく
ことを考えれば今後もこの波は続いていきそうです。労働力不足のなか、人材を確保してい
くことが企業の課題となりますが、この課題を解決する方法のひとつが「テレワーク」にあ
るようですね。カルビー株式会社でもテレワークやフリーアドレスを進めた結果、新卒の応
募数が増えたという話もありました。企業は、これまでとは違う働き方を検討、整備する段
階にきているようです。
 
 
第10回は「テレワークを成功するために必要な3つのこと」
テレワークの導入を進めていくには、社内システムの構築や規定の見直し、そして社員が
自然とテレワークできるような雰囲気づくりが重要であると、森本さんは話しています。
整備や見直しといっても、さまざまなコストや工数がかかり、どこまで整備したら成功と
いえるのかなど担当者は頭を抱えてしまいがち。
効率よく導入をすすめていく方法をお伝えします。
 
次回も森本さんに詳しく伺っていきます。お楽しみに!


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