こんにちは!QTnetの山﨑です。
運動不足解消のために、ランニングをはじめました。わたくし、何事も服装から入るタイプでして。
学生時代、試験前に机の掃除から始める口だったものですから、
ランニングを始めるためのお気に入りのウェアを探そうと歩き回り、疲れてスイーツパフェをパクリ。
何のための買い物だったのやら、、、。

日差しもすっかり夏ですね。みなさまも(?)甘い物と運動で心も身体も元気に過ごしましょう!

さて、前回は「テレワーク導入を先導したのは外部要因の変化【佐賀県庁のご紹介】(前編)」
についてお送りいたしました。
佐賀県庁にテレワークが導入された経緯について森本さんに語っていただきましたね。
森本さんは「佐賀県庁に導入するなんてテレワークの「テ」の字も考えていなかった」そうです。
それがテレワーク導入に舵を切ったのは、災害やパンデミックの対策や出産、育児、介護などによる
離職の対策に現場責任者たちが動き出したことが要因でした。
 

もう一度読みたい方は≪アーカイブ≫からお読みいただけます。


第12回 実証事業からテレワーク全庁導入へ踏み切るまで【佐賀県庁のご紹介】(後編)
前編に引き続き、佐賀県庁のテレワーク導入事例をお送りします。自治体として全国に先駆けて
テレワークを導入した佐賀県庁。森本さんや3人のキーマンを中心に動き出し、いよいよ実証事業が
スタートしました。4000人もの職員が在籍する県庁でテレワークは受け入れられるようになっていく
のでしょうか。
 
この佐賀県庁での事例は「前編・後編」でお送りしています。
それでは、後編にお付き合いください。
 


 <今回の特集>
1 推進チームが実証事業で施した「3つの仕掛け」
2 森本さんがタブレット端末の配布を「手挙げ方式」にした理由
3 効果の共有。知事へのアピールにもなった「テレワーク実証事業の報告会」
4 森本さんが語る「テレワーク成功の要因」




1 推進チームが実証事業で施した「3つの仕掛け」

4000人もの職員にテレワークを導入した佐賀県庁。「保守的」といわれることの多い役所がどうやって最先端の
職場環境を手に入れたのか。大きな組織でテレワークを実現させる好例として、その経過を前後2回に分けて紹介
している。
 
前回は森本登志男さんが佐賀県最高情報統括監(CIO)として着任した2011年4月からテレワークの実証事業が
スタートする2013年8月までの流れを追ってみた。その中で、佐賀県庁のテレワーク推進を決断したきっかけ
として、以下の2つを紹介した。
 
 
 
 
 
 
 








 
 
・職場の問題(非常時の業務継続、育児・介護離職の防止、女性活躍など)の解決の手段として現場責任者から
 ボトムアップで始まったこと
・森本さんと現場責任者とで組織体制が自然と出来上がっていたこと—の2点が、実現の強力な推進力となったこと
 
テレワークの実証事業は2013年8月から2014年3月まで行われた。具体的にはタブレット端末や
仮想デスクトップの活用、サテライトオフィスの開設によるテレワークの体験である。
ここで森本さん率いる推進チームは3つの仕掛けを施した。
 
(1)「手挙げ方式」によるモバイル端末の配布
(2)全管理職による週1回のテレワーク実施
(3)3回にわたる報告会の開催





2 森本さんがタブレット端末の配布を「手挙げ方式」にした理由
 
<仕掛け1>
用意したタブレット端末100台についての配布方法を「手挙げ」による選考方式とした。
つまり、推進チームがバランス良く均等に配布するのではなく、希望する部署は現状の課題に対して
モバイル端末を活用してどう解決するのかを書類で提案し、それを審査したうえで配布するという方法をとった。
 
 
 
 
 








 
 
 
 
 「実証事業に際してはさまざまなデータをとってもらうなど部署にも負担がかかります。機械的に配って
『やらされる』と感じるより『やってみたい』と強く希望している部署に配布し、より有効に使ってもらえる
ことを期待しました」と森本さんは説明する。
 
100台分の配布に対して、196台分の希望があり、約半数に絞ることになった。第三者から見ても明らかに
タブレットを有効活用できそうな部署であっても、提案書に熱意がうかがえない部署には配布しなかったという。
その反面、具体的な活用方法を上げて丁寧に提案書をあげてきた熱意のある部署には、
希望台数を満額回答することもあった。
一覧表にして見栄えよく均等に各課まんべんなくという、
丸く収まるといった方法を取りがちな役所の中では、珍しい手法をとった。
 
<仕掛け2>
管理職には週1回のテレワーク実施を〝事実上〟義務づけた。
 
これは連載6回目でも触れたが、
・IT活用や従来と違う働き方の導入といった変化を好まない年齢層が中心
・自分の目の届かないところで部下が働くことへの不安がある
・職員が在宅勤務やモバイルワークを行う際の承認権者となる
・部署によってモバイルワーク推進の温度差があるのは管理職の影響が大きい
 
といった管理職の特性があるため、まず彼ら自身に体験してもらって、
管理職から「不安を取り除き」「便利なものだと実感してもらう」ことを目的とした。
 
森本さんは「テレワーク普及の成否を握るのは『職場環境の醸成』です。つまりテレワークすることを
遠慮せずに上司に言えるかどうか。それには管理職が『テレワークって便利だな』と納得してもらうことが
大切なんです」と強調した。
そのため、管理職層には、この年代が不慣れなタブレット端末を無理に使わせることはせず、
職場を離れたサテライトオフィスや自宅での勤務を毎週経験してもらうことに集中した。




3 効果の共有。知事へのアピールにもなった「テレワーク実証事業の報告会」

<仕掛け3>
タブレット端末を活用してどんな効果が生まれたか——その報告会を3回(2013年9月、同年10月、2014年2月)に
わたって実施した。
 
 
 








 
 
 
 
 
 
森本さんによると「テレワークの効果を、発表資料を作成することで明示してもらう」
「他部署の活用方法を知ることで自部署の新たな活用方法に気づいてもらう」
「タブレット端末が配布されなかった部署に報告会を通して情報を届ける」
の3点が狙いだった。
報告会では「案件がその場で解決でき持ち帰り対応の回数が減った」「現場から自宅へ直帰できる回数が増えた」
——などの改善例が報告された。
 
2回目の報告会ではタブレットが配られてない部署からの聴衆が増えたという。
全庁的な関心事になったということだ。実証事業の後半時期に、全庁に対して実施したアンケートでは
「タブレット端末を導入したい」という回答を集計すると700台分にものぼり、森本さんは部分導入ではなく、
最初から全庁導入に踏み切るべきだという確信を持ったという。
 
締めくくりの第3回報告会は、以前から毎年開催されていた「業務改革コンテスト」を舞台にした。
知事、副知事、教育長、全部長など全ての幹部職員が出席する催しで、アピールするには格好の場である。
全ての部署がテレワーク実証事業の効果を発表し終わった後、森本さんから幹部職員に質問を求めたところ、
最初の質問で、知事から全庁で実施した場合の費用を尋ねられたという。
これは県行政のトップからテレワークの全庁実施を政策として検討するように指示が出たということを意味する。
 
既に翌年度(2014年度)の予算の概算が終了しているタイミングであったが、異例の速さで翌年度導入の調整を進め、
佐賀県庁の全庁テレワークは2014年10月1日にスタートした。




4 森本さんが語る「テレワーク成功の要因」

佐賀県庁のテレワーク導入から3年余り、現状はどうだろうか。


 
 








 
 
 
 
 
 
2017年11月に在宅勤務の利用状況をアンケート調査した結果がある。
それによると利用率13.2%(男性13.2%、女性13.1%)だという。内訳を見ると、介護や育児をしていない
職員でも10%(男性9.9%、女性10.1%)の利用がある点が注目される。まさに森本さんの言う
「育児や介護のためだけではない、普通の働き方としてのテレワーク」が浸透している結果といえる。
 
佐賀県庁のテレワーク導入を振り返って、成功の要因について森本さんに尋ねた。答えは次の3点だった。
 
・組織横断の推進チームをつくること
・実証事業を丁寧にやること。中でも「手挙げ方式」と「管理職のテレワーク体験」は有効であること
・できるところから始めること。小さく始めて大きく育てる、スモールステップを心がけること
 
 


<あとがき>
佐賀県庁のテレワーク導入の経緯から、実証事業での効果検証、効果や改善例の報告会、
実際の導入まで、森本さんがどのように行って成功させたのかを具体的に見ていくことができました。
タブレットの配布の仕方、管理職を納得させるための施策などとても参考になる内容だったと思います。
 
第13回はガラリと変わって「テレワークで見えたストレスフリー型オフィス」についてお送りします。
 
進学や就職で首都圏に集まっていた人たちが地元に戻ったり新天地を求めたりして移住している
ニュースを目にする機会が増えました。そうした人の流れによって地方活性化が期待されるなか、
UターンやIターンで地方に移住した人たちのテレワーク活用が話題になっています。
ストレスフリー型オフィスとは一体どういったものなのでしょう!?
 
次回もお楽しみに!




<サービスのご紹介>


 

▼QT PRO セキュアモバイル
 

【モバイルワーク】にはコレ!
・建築現場などの期間限定オフィスから本社に安全にアクセスしたい
・短期間で通信環境を整えたい
・セキュリティ対策を万全にしたい

 
セキュアモバイルは、イベントや催事、建築現場などの期間限定のオフィスにも最適。
安全な通信環境を構築します。インターネットを経由しないSIMカードを使うので、
不正アクセスも防ぎます。


 

▼QT PRO 仮想デスクトップ
 

【在宅勤務】 【モバイルワーク】にはコレ!
・外出先でも社内と同じ環境で作業したい
・機密情報を紙で持ち歩くリスクを回避したい
・自宅からも安全に社内データにアクセスしたい
・セキュリティ対策を万全にしたい

 
仮想デスクトップは、訪問先や移動中も社内デスクトップと同じ環境を実現します。
閉域ネットワーク上のサーバーに普段のデスクトップを設定しておけば、外出時の
ノートPCが「いつものデスクトップ」に。端末にデータも残らず、情報漏えい対策も
万全です。


 

▼QT PRO マネージドセキュリティ
 

【社内のセキュリティ強化】にはコレ!
・システム担当者のリソース不足
・セキュリティについての専門知識がない
・セキュリティ機器の購入や運用のノウハウがない
・セキュリティ対策を万全にしたい

 
マネージドセキュリティは、「24時間365日、専門家の監視」で
不正アクセスから防御。セキュリティ機器の購入、設置、運用管理など
すべて不要です。システム担当者は本来の業務に集中でき、生産性UPに貢献◎
システム担当者の負担軽減とセキュリティ対策の両方を実現します。